3.囚人番号001＿自己紹介 ページ6
「……あのぅ、なんか…めっちゃグダってましたけど、大丈夫ですか？もしかしたら誰か看守に謀反とか起こすかもしれませんよ？警戒心とか…その…」
そこで言われて、全員始めて気づいたようだ。その直後、まぁいっか、という顔を全員する。
「……僕程度が反乱起こせるわけないとか思ってますね！？思ってますよね！？」
＿＿＿001番は、背が小さい囚人だった。紫色の髪を前でぱっつんに、後ろでショートボブにしている。僕ですら上目遣いで見ないと、目が合わないぐらいに小柄。ぱっちりとした目のまつげは長く、声も高い。うちの女性組誰もと似つかない、また独特な女性、のように感じられた。
(他の囚人もそうだが)囚人服は白ベースの布生地に、ゆるく巻かれた黒いベルトが無数に巻き付いている。紺色のショートパンツを履き、服の差し色はパステルカラーで黄、青、緑のグラデーションになっていた。…なんだか落ち着きのない色だ。
「まぁいいですよ…… それで、接触って僕何すればいいんですか？」
話題を切り替えてこちらに尋ねてくる。なんだかわしゃわしゃしたくなる頭だ。正直ヒトゴロシとは思えない。
「そうだなあ。とりあえず皆の前で自己紹介してよ それやったらもう帰っていいから」
と無茶ぶりにも似た要望をアイクさんが出す。
「え、……えぇ…むずくないですか……」
そう言いながらも、咳払いをした。
「…みなさんこんにちはこんばんは囚人番号001番、しにがみでございます！えーと年齢は21で性別が〜どぅるるるるっるるっるるっるるるｒ」
バチン‼と鈍い音が響く。見れば、クミさんがどこから持ってきたのか警棒(しかもなんかバチバチ言ってる)を001番…しにがみ、とやらに叩きつけたらしい。
「えっなんでなにひどい痛いなにこれ？！？髪こげた？！！」
「…！ 。…」
「『あまりこうやってふざけてるとこんな風になるから気を付けてね』らしいよ」
「ラインがひどくない！？」
「…ぅ〜…えっと…性別は男で……いやでもついてるほうがお得って今じゃ言うらしいし皆さんも万々歳いでぇ？！？！」
「…！」
「これはよくない！？駄目！？」
クミさんの胸をぽかぽか叩きながら首根っこ掴まれて牢へ引きずり戻されていく001番。最後まで腑に落ちなかったのか、隅の方で三角座りをしてぶつぶつ言っていた。
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作者名：白熊 | 作者ホームページ：
作成日時：2023年12月24日 10時
